空室リスク!不動産投資の最大の心配事にどう対策する?資金的余裕と心持ちについて解説します

マンション投資の最大の心配事は空室リスクです。「家賃収入で借入返済・管理費支払・固定資産税支払をまかなう」と、自身の持ち出しなく投資を行う仕組みを投資の決め手とした方にとっては特に、空室が生じたときの不安は大きいと思います。

「借入の返済が自身に降りかかってこないか」と心配される方もいます。

空室になり賃料が入らないために自身で返済しなければならず、その状態が数ヶ月つづき、ついには手元資金ではもう返済することができなくなり、売却しなければと判断し、借入金額よりも低い価額でしか売却できずに、差額を負債として背負ってしまったということを想定されています。

空室リスクの顕在化がもたらす最悪のケースです。

同じ人がずっと住み続けてくれる好事例は少ないので、不動産投資を行う以上、空室リスクとは正面から向き合わなければなりません。

私自身も結婚や異動により、10年間で4度引越しており、今時点でも次はあそこの物件に住みたいなと考え中です。

空室リスク軽減の手段にサブリースがありますが、安心を選択する一方で手元に残るお金が減る(保証賃料は、家賃からサブリース手数料を差し引いたもの)ため、収支プラスが維持できることの確認が必要です。

社員寮や学生寮として貸し出す方法もあります。入居者が入れ替わっても契約者はかわらず、家賃収入は継続するため、空室リスクは軽減します。

ただし、長期の契約となることから、設定家賃が相場よりも低い可能性があることも踏まえて、やはり収支プラスを維持できていることの確認が必要です。

ワンルームマンションの場合は、もともと収支プラスの幅が小さいため、サブリースにすると収支プラスを保てないことが多いです。そこで、サブリース以外の空室リスク軽減方法を探さなければいけません。

今回は「空室になったときの考え方」、「不動産パートナーの本音」や「空室リスクを抑える方法」について、ご案内致します。

空室リスクに関連して、家賃下落についても触れています。

目次

ずっと空室だとどうなるの?
不動産パートナーに聞いてみた!空室を伝えたときのみんなの考え方・態度 空室になったとき、オーナーはどのような反応・態度をしますか?
空室になったとき、オーナーができることはありますか?
空室時にオーナーにはどのような心持ちでいてくれると嬉しいですか?
空室リスクが顕在化して、もう資金が耐えられなくて売却した人はいますか?
空室?気にはなるけど考えたことないかな 空室リスクを徹底的に下げるように判断する
空室になった場合の実施事項を不動産パートナーと話し合う
家賃の下落リスク
掘り起こしアプローチ
おわりに

ずっと空室だとどうなるの?

借り手がおらず家賃収入がない間は、借入返済・管理費支払・固定資産税支払を自身で行わなければなりません。

収入よりも支払いが多ければ、預金は減っていきます。安全を見るのであれば、たとえば6ヶ月分の支払額は手元資金で貯めておけると退去の知らせが届いたとしても、突然不安になることはないのではないでしょうか?

ただし、その手元資金がなくなったら、どうなるのでしょう?

売却または返済を待ってもらうかでしょうか?

売却にあたり、借入よりも低い金額でないと売却できない場合には、売却資金だけでは完済できない借入金額の返済方法を決定しなければなりません。

不動産投資は空室リスクを心配しながらの投資ですので、「空室リスクをどう下げていくのか」、「空室リスクが顕在化した場合にはどのように対処するのか」を、投資判断時に不動産パートナーと話し合いの上、決めておくことが大切だと考えます。

私の場合は空室リスクを抑えるために賃料を下げなければいけなくなり、収支のプラスがマイナスに転じる前に売却するように考えています。

持ち出し金額が発生する前に不動産投資をやめます。

東京と地方都市の物件では、収支と空室リスクが一般的には対照的です。地方都市の物件は収支が良いものの、一度空室になると次の入居が決まるまで時間がかかります。一方、東京の物件は地方都市の物件と比較すると収支が悪いものの、空室になった後、新しい入居者との契約が決まるまでの期間が短いです。

空室リスクを抑えることにこだわるのであれば、東京の物件に投資したいです。

地方都市の土地勘があり、後述する愛着もあり、空室リスクを含みながらでもその街に物件を持ちたいという判断であれば、地方都市の物件へ投資することも、東京の物件と比べて高い収支が期待できるので良いと思います。

不動産パートナーに聞いてみた!空室を伝えたときのみんなの考え方・態度

日頃、投資物件の空室の知らせや新規入居の申し込みがあったことをオーナーに伝える仕事をしている私の不動産パートナーに、空室の知らせが届いたとき、オーナーの方たちはどのような反応・態度を取るのか、空室に対してどのような考えを持っている人が多いのかを聞いてみました。

空室になったとき、オーナーはどのような反応・態度をしますか?

ほとんどのお客様は1ヶ月くらいの空室は許容範囲だと考えています。一方で、新たな入居者が1ヶ月決まらず、ものすごくお怒りになられる方もいらっしゃいます。

地方都市の場合は、収支が良いので、1ヶ月半〜2ヶ月は待って欲しいと購入時に伝えるようにしています。

空室になったとき、オーナーができることはありますか?

空室になったとき、オーナー様ができることもございます。

たとえば、礼金を家賃の2ヶ月分にしているのであれば、1ヶ月分にするといった方法です。月々の収支を重視して、家賃は下げたくないときにご検討される方もいらっしゃいます。

空室時にオーナーにはどのような心持ちでいてくれると嬉しいですか?

2ヶ月は新規入居の連絡を待つ心持ちで、預金に余裕をお持ちになられているとご安心ではないかと考えています。

お怒りになられると、親身にお付き合いしたくなくなります。

空室リスクが顕在化して、もう資金が耐えられなくて売却した人はいますか?

空室リスクが顕在化して、もう資金が耐えられなくて売却した人は、キャリア10年でゼロ人です。

9割保証の家賃保証はどうかと話を持ちかけられることもあります。

ただし、強くおすすめはしません。

家賃保証契約は、2年間の保証期間が必要であることを話させていただきます。

家賃が9万円の物件で計算すると、21.6万円(月額9千円(9万円×10%)×24ヶ月)を家賃保証として支払うことになるので、空室2ヶ月間と変わらない旨を伝えさせていただきます。

そうすると、お待ちになることを選ばれる方が多いため、家賃保証を利用されているオーナー様は、弊社のオーナー様のうち、1%にとどまっています。

投資ですから、リスクがあります。リスクの低減は可能ですが、100%取り除くことは難しいものです。

一方で空室リスクが怖いことを考え過ぎてしまうと、いつまでも投資が始められないのも事実ですので、綿密に検討した上である程度の思い切りも必要かもしれません。

空室?気にはなるけど考えたことないかな

空室が発生しても「気にはなるけど、考えたことないかな。待つしかないのだから。待つ以外は何かできることあるの?」

このような心持ちでいられたら良いですね。

ヒントは、空室が数ヶ月続いても「手元資金が底をつかない貯金」と「心持ちの練習」です。

手持ち資金が底をつかない貯金の目安は、先に触れたとおり、たとえば6ヶ月分の支払額を手元資金で貯めておくことだと思います。

心持ちの練習はどうするかと言うと、「空室リスクを徹底的に下げるように判断する」、「空室になった場合の実施事項を不動産パートナーと話し合う」の2つです。

空室リスクを徹底的に下げるように判断する

たとえば、空室リスクを意識すると次のような判断が考えられます。

  東京の物件を選択する
  駅から近い物件を選択する
  エントランスなど共同部分の掃除が行き届く物件を選択する

掃除が行き届いているか、自身が賃貸物件を探して内覧するときにキレイではない物件には積極的に住みたいと思わないことからも、大切な要素だと考えます。

新築・建築中で確認できないという場合でも、シリーズ展開している物件であれば、別の物件を見に行き、管理状態を確認するようにします。

そして、自分でも住みたいと思えるくらい愛着を持てる物件であることも大切です。その街にその物件を所有していることに誇りが持てる物件です。

空室になった場合の実施事項を不動産パートナーと話し合う

実際に空室になったら何をするのか、投資検討時に不動産パートナーと協議しておき、空室が生じても「やることは決まっている」と思える心持ちを準備しておきます。

空室になって1ヶ月目から7ヶ月目まで、たとえば次のようなプランを不動産パートナーと話し合いの場を持ち、決めておきます。

進み具合を確認できないと不安になりますので、けっして、ほったらかしにはしません。

1ヶ月目
待つ。1ヶ月目が終わるときに、不動産パートナーと話し合う場を作る。問い合わせ状況の確認など。

2ヶ月目
待つ。2ヶ月目が終わるときに、不動産パートナーと話し合う場を作る。問い合わせ状況の確認や次のプランに移るかどうかの決定。

3ヶ月目
礼金をひと月分下げる or 賃料を下げる。3ヶ月目が終わるときに、不動産パートナーと話し合う場を持つ。問い合わせ状況の確認や次のプランに移るかどうかの決定。

4ヶ月目
礼金をひと月分下げる or 賃料を下げる。4ヶ月目が終わるときに、不動産パートナーと話し合う場を持つ。5ヶ月目が終わるときにどのような選択肢が考え得るのかを決めておく。

5ヶ月目
待つ。5ヶ月目が終わるときに、不動産パートナーと話し合う場を持つ。手元資金が6ヶ月で底をつくことを見据え、6ヶ月目以降、どのような方針で進むかを決定する。家賃保証が手立てとしてあげられるが、収支に影響が出ることを踏まえて、実施するかを決定する。売却のシミュレーションを依頼しても良い頃。

6ヶ月目
売却の検討を始める。6ヶ月目が終わるときに、家賃保証契約に切り替えるか、売却するかを不動産パートナーと話し合う。

7ヶ月目
家賃保証契約に切り替える。

「買わされた、、」、「買ってしまった、、」という後悔があって、「本当はあの物件、気にくわなかったんだよな」、「買う前から引っ掛かってたんだよな」、そのようなマイナスのことばかり考えるのは、辛いですね。

購入検討時に引っ掛かることがあれば、その物件は見送った方が良いと考えます。そのときに次また良い話をもらえるように、今回見送る理由と、紹介して欲しい物件の希望条件を明確に伝えておくと良いと思います。

今、買いたくないから断る、話を聞くのが面倒だから断るのではなく、判断軸を持ってなぜ断るのかを明確に伝えられるようになっておきましょう。

物件の紹介は当然断っても良いのです。検討をしてくれるだけでも、嬉しいものですと不動産パートナーは話していました。

投資検討の判断軸を事前に準備して、良い物件と巡りあう縁を待ちましょう。

「なんで問い合わせが来ないのだろう。私だったら住みたいけどな、まぁ、そのうち来るでしょう。」

空室の知らせが届いたとき、こんな風に思えると良いですね。

家賃の下落リスク

空室リスクに関連して、長期的な心配事は、家賃下落リスクです。

「新築の賃料と30年後の賃料が同じだと思いますか?」と聞かれて、「はい。同じだと思います」と答える方はいらっしゃらないと思います。「いいえ、下がります」と答えるはずです。

空室リスクを解消するために、物件と賃料が比較され、築年数が重なるにつれて、住まいを探している方が求めている賃料へと下がっていくのです。

不動産投資の広告で、「ローン支払い期間は手元に残るお金が少ないですが、35年後にローンを完済した後は家賃収入が全て手元に残ります」というキャッチコピーを見たことがあります。

将来の家賃額はいくらになるのか、どのような人が住んでくれているのか、空室期間は長くなったりしないのか、不動産パートナーと話し合い、購入前に自身の考えを固めておくのが良いと思います。

ここでも、自分でも住みたい街の住みたい物件であること、投資する物件に愛着が持てることが大切な要素だと考えます。

掘り起こしアプローチ

グーグルマップを眺めたり、散歩をしているときに投資したい物件を見つけて、不動産パートナーにあの物件は買えないかなと相談し、情報を集めてもらい、条件が合えば、投資に動くというアプローチも良いと思います。

これまで住んできた賃貸マンションは、グーグルマップで検索したり、実際に街を歩いたりして、住みたいと思ったマンションを見つけ、不動産仲介会社にリクエストを出して、空き部屋の情報が届き次第、契約するという探し方をしていました。

おわりに

海岸からのレインボーブリッジ夜

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は不動産投資の最大の心配事である空室リスクの備えについて、ご案内させていただきました。

30年後、40年後はどうすれば良いのか?ということを納得できるまで、信頼できるパートナーと協議することです。

30年後、40年後の空の色や空気の肌触りまで鮮明に想像することは難しいですが、投資する物件の30年後、40年後を考えてみましょう。

興味がある街の築30年経過した物件、40年経過した物件を巡ってみたこともあります。

建物も私も今の延長線上に将来があることに変わりはないのです。

今回の記事が不動産投資を検討されている方のお役に立てますと幸いです。

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