ハワイがテーマの映画鑑賞は、自宅でハワイ気分を作り出すときにきっとお役に立てるレビューを紹介します。
ハワイを舞台に自然や音楽、そして日常を映し出す映画の数々をお伝えします。
観光地の魅力だけでないハワイを自宅で楽しみましょう。
第3弾は「ホノカアボーイ」をご案内します。
岡田将生主演の本作は、主人公のレオがハワイ島にあるホノカアでの出会いと日常、そして別れを描いたヒューマンドラマです。
公開は2008年、原作は吉田玲雄の同名作品です。
ハワイの風や夜空、気温や時間の流れが、美しく表現され、物語の中心に位置付けられる料理がどれもこれも美味しそう。
ゆったりとしたテンポと愛情たっぷりの料理が織りなす映画は、見ていると心が落ち着きます。
ソファーに横になりながら、料理を作りながら、洗濯をたたみながら、何度も見たくなる映画です。
本作のテーマのひとつに、ビーの気持ちとレオの気持ちのすれ違いがあります。
ご飯作って待っているのにレオが帰ってこない、連絡もない、レオが好きな海老フライを作るって言っていたのに…
レオの誕生日会を企画して、楽しみにしていたのに、友達を連れてくるって？
ケーキを用意していたのに、レオの友達がケーキを持ってきてくれた…
ちょっとふてくされたくなっちゃうかな。
レオの視点、ビーの視点、両方の視点が見えるのは良いところです。
両方の視点が見えるから、すれ違いにムズムズします。
ビーがレオとの日常が楽しくなって、髪型を今どきの女性のスタイルに変えるところ、さんざん迷った末に素敵な洋服を買うところ、恋とは違うけど、楽しく過ごそうとするビーがとても愛しいです。
キャッチコピーは、どうして僕たちは、何かを失って、大人になるんだろう。
この物語の中で、オープニングからレオは失くしてばかり。
都合が悪くなるとすぐだまる。彼女にもビーにも、指摘されて、レオは成長したのかな？成長してないかもな。
それでも等身大で、ホノカアで出会った温かい人たちのためにレオができることをやってきた1日1日が記録されています。
大きなことでなくて良い、自身にできることを相手のことを思いながら、実践していくことが大切だと気付かされる映画です。
「ホノカアボーイ」のDVDは、Amazon、 楽天で購入できます。
「ホノカアボーイ」は、DVDでの視聴もよいですが、動画配信サービスでの無料視聴をおすすめします。
ただこの作品、繰り返しみたいと思って、購入しました。本も一緒に買うほどお気に入り。
▼「ホノカアボーイ」を見れる、おすすめの動画配信サービス2つ【実質無料】とTSUTAYA宅配サービス。
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あらすじ
1年前、彼女と訪れたハワイ島のホノカアの映画館に住み込みで働き始めるところから物語が始まります。
いつも何か食べている映画館の女主人のエデリ、無口な映画技師のバズ、いつも気持ちよさそうに寝ているポップコーン売りのジェームス。
映画館の名物は、Bee’s malasada（ビーのマラサダ）。
四角い形のマラサダは、近くに住むビーの手作り、いくつも食べれてしまいまそう。
食べるのが好きなエデリがいつも手をのばしてます。
レオとビーの出会いは、ビーの自宅へマラサダの材料の小麦粉をレオが届けたとき。
家に入ると目の前がキッチン＆ダイニング。
お腹を空かせていたレオ、呼び掛けてもビーの返事がなかったので、コンロの上の鍋に、煮魚を見つけて、つまみくい。
美味しそう。
そのとき、背中に何かがあたります。
ビーが割り箸ゴムてっぽうで、打ってきます。「それ猫のエサです」って。「めちゃくちゃ美味いです」と言い訳するレオに、「またいらっしゃい。今度は人間のエサ作ってあげます。明日、また来なさい」とビー。
レオが「来ます。来ます」と返事をすると、ビーはとても嬉しそう。
撃ち止めたって感じ笑
翌日、レオがビーの家を訪れると、とても豪華な料理が用意されていました。
「人間に作るの久しぶりだから、作り過ぎました」とビー。
美味しそう。
レオは食べる前に写真を撮ります。
レオが食べているとき、ビーが声を掛けます。
こうして、ビーに食事のお世話になることになったレオ。
良かったね。
ビーは、50年前に旦那さんを結婚してすぐに亡くして、レオに面影を重ねてるなんてシーンがあったけど、実際には旦那さんと過ごしたかった家族のシーンを重ねてるのかもしれません。
旦那さんにまた会いたいって気持ちをそっと閉まって1人過ごしてきたけれど、レオとの出会いがきっかけで、抑えきれなくなったのかもしれません。
なんか素敵ですね。
ある日、映写技師のバズが階段から落ちて、腕をケガしてしまいます。
レオはバズの代役を買って出ますが、失敗。
切れてしまったフィルムをにぎりしめ、落ち込むレオを、「さぁ、今日はロールキャベツにしますから。そのワカメは良い出汁がでそうですね。」と言って、励ますビー。
レオ、良かったね。
レオとビーのお互いがお互いにできることを相手のためにするやり取りが始まります。
レオはビーのために、買い物に行ったり、糸電話を繋いだり、月虹（ムーンボウ）を見に連れ出たり、ビーはレオのためにご飯を作る。
ロールキャベツ、筑前煮、ちらし寿司、竹の子ごはん、お味噌汁、フライドチキン、海老フライ、焼きそば、ハンバーガー、スパムむすび、手作りマヨネーズ、マラサダ、ママキのハーブティーなど、美味しそうな料理がテーブルに並びます。
見ただけで人を幸せにするビーの手料理をレオは毎回写真をとって部屋の壁に貼っていきます。
月の虹を見に行ったコテージの入り口に座って2人で撮った写真も素敵です。
大切な登場人物に、度々レオにアドバイスをくれるコイチがいます。
道に腰掛けて、教わることなんて、大人になったら無くなってしまいましたね。
「年取ったからって、やっちゃいけないことはないんだぜ」
コイチがレオに話す言葉ですが、ビーのレオに対する想いとも重なる見方もできます。
ある日レオは、オーガニックフード店で働くマライヤと出会います。
レオ、マライヤにひと目惚れ。
結局はマライヤには思いを寄せる彼氏がいたことでレオは傷心しますが、ビーにも災いが…
レオはビーを支えるため、自身ができることを考えて実践していきます。
風が吹き込む素敵な家と料理が美味しそうで、流れる時間の中に心の落ち着きを見つけ出すことのできるストーリー展開はいつまでもこの街でのレオの生活が続くかのように思えます。
しかしながら、何事にも終わりがあるもの、レオは、コイチから「ここに長くいちゃいけないよ。いつ帰ってきてもここは変わらんよ。」といったアドバイスをもらいます。
ホノカアを離れる最後の日まで、レオはホノカアでの生活をどのように過ごしていくのでしょうか。
見どころ
時間の流れ、空と海と緑の心の落ち着く色、カーテンの色、風が通う部屋、綺麗な映像が見どころです。
そして、映画に彩りを加えるビーの手料理。
仕事場に運んでくれるお昼ご飯も本当に美味しそう。
ビーのマラサダは四角いのです。
今度作ってみます。
海が見える草地でのマライヤのフラダンスは、美しいです。
ビーがレオに新しい服を気付いて欲しくてファッションショーするシーンは笑えました。
エンドロールで流れる小泉今日子のエンディング曲「虹が消えるまで」も良かったです。
作曲・編曲は斉藤和義。斉藤和義も自身で歌っています。
私が好きなシーン
01. テレビを横にして見ているシーン
ビーの家のテレビは横向き。
レオが理由をたずねると、ソファーに横になるビー。
パソコンで映画を見るとき、我が家もベットで横になり、パソコンを横向きにします。
意外と見やすいですよ。
02. 糸電話
レオが、自分の部屋とビーの部屋に糸電話を引きます。
「これからこれで、買い物するものを教えてください」というレオに、「電話代掛からなくて良いですね」と返すビー。
素敵なやり取りです。
もうひとつ、ラストに糸電話を使った素敵なシーンがあります。
それはお楽しみです。
03. 風が通る家、カーテンの色も鮮やか
鮮やかなカーテンが風に揺れているシーンが、ところどころにあります。
風の通りが良い街なんだなと思って見てました。
そしたら最期、レオが、この街では死んだ人はみんな風になると話します。
ビーも風になったのかな。
大切な人はいつもそばにいてくれるのですね。
素敵なセリフ
01. 毎日来なさい。毎日ここでごはん食べて行きなさい。
ビーがレオのインスタント中心の食生活を聞いて、ごはんを食べに来るように勧めるシーンです。レオが「本当に？」と聞くと、ビーは「ほんとに。」と、返して、またレオが「悪いです。」と聞くと、「悪くないです。。。御礼なんかいらないですから。私そういうの嫌いですから。」とやり取りが続きます。
若者にとって、ご飯が食べれることは本当に幸せなことです。
02. チャック空いてますよ。嘘ですよ。
このセリフでビーがレオをからかうシーンが2回あります。
2回ともレオはチャックを確認します。
嘘なのに。
03. キセキって起こるからキセキっていうんです。うけうりですけど。
ビーの診断結果を聞いて、困惑するレオにドクターがかける言葉。
04. もう一度、レオの困った顔、見たいです。
満月の夜。ビーにはわずかな視力で、月が滲んで見え、ムーンボウを見ることができたと話す。
ムーンボウを見ると願いが叶うという伝説から、ビーはもう一度レオの困った顔を見たいと話す。
05. これは私の。これも私の。
ブログを見て、ビーのマラサダを買いに映画館を訪れたチャコ。
残り2つのマラサダを両手に取って、食べようとしているエデリ。
もうないの？と聞くチャコに、エデリが答えるシーン。
「これは私の。これも私の。」
「わざわざ来たのにー」と3回言って、ひとつ譲ってもらえることに。
「わざわざ来て良かったー」と喜ぶチャコ。
ほんわかする好きなシーンです。
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございます。
ハワイ島を舞台にしたヒューマンドラマ「ホノカアボーイ」のご案内でした。
原作の中に、好きな文章があります。
——————————
今日もハワイに日が射している。マウナケアの頂上には雪が見える。赤信号で止まっているバスの運転手がウクレレを弾いている。プルメリアが微風に香りをつけている。常に「ハワイ」は、与えているのだ。
——————————
与えることって簡単なことではないのに、何から何まで与えるスタンスがあるから、こうしてハワイに惹かれてるんだと気付きました。
私も自身にできることを与えられる人になりますね。
今回の記事をきっかけに、本作をご覧になっていただけたら、嬉しい限りです。
皆さまの自宅でハワイ気分のお役に立てますと幸いです。
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