ハワイのヤシの木

【ハワイ映画】ワン・ヴォイス~ハワイの心を歌にのせて~ !カメハメハスクール合唱コンテスト。ハワイ好きにおすすめのドキュメンタリー映画です

ハワイのヤシの木

ハワイがテーマの映画鑑賞は、自宅でハワイ気分を作り出すときにきっとお役に立てるレビューを紹介します。

ハワイを舞台に自然や文化、そして日常を映し出す映画の数々をお伝えします。

観光地の魅力だけではないハワイを自宅で楽しみましょう。

今回は「ワン・ヴォイス〜ハワイの心を歌にのせて〜」をご案内します。

2009年に制作された本作は、1887年に創立したハワイの伝統校カメハメハ・スクールで1921年から続いているハワイ語による学年対抗の合唱コンクール「ハワイアン・スクール・ソング・コンテスト」がテーマのドキュメンタリー映画です。

指揮者の投票に始まり、合唱曲の選定、仲間との練習、コンテストにかける想いや緊張感、そして興奮と感動の本番を、各学年の指揮者とその家族を中心に伝えていきます。

「大事なのはハワイ語で歌うこと」。

生徒たちが歌うのは「メレ(mele)」と呼ばれるハワイ語の歌。

ハワイ語は、アメリカによるハワイ併合の経過で、1896年にハワイ語での教育は禁止され、1978年にハワイ州の公用語として認められるまで、82年もの間、公に使用されていなかったのです。

国の文化や尊厳、統治を奪うために効果的なのが「言葉を奪うこと」でした。

これはこの先いつまでも忘れられることはないでしょう。

「カメハメハスクールも戦っていた」と10年生の指揮者のお父さんは語ります。

伝統を受け継ぎ、現代で活躍する生徒たちの姿に、ハワイアンとしての誇りを教えてくれたドキュメンタリー映画です。

2019年にハワイを訪れたとき、平日の夜に外国人の私がパンクして困っていたところを助けてくれたハワイアンのあの人を思い出しました。

何度も御礼を伝えたときに、彼が私に話した言葉は、”I’m loco. It’s aloha spirit.”でした。

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あらすじ

2008年、オアフ島の伝統校カメハメハ・スクール。

9年生から12年生の生徒たちは、学年対抗の合唱コンクール「第88回 ハワイアン・スクール・ソング・コンテスト」に向けて猛特訓が始まります。

ハワイ語で歌うことへの挑戦、練習中に居眠りする生徒、心ない言葉を発する生徒など、すべてが上手くいくわけではないことは簡単に想像できます。

ひと学年の指揮者は、男声、女声、混声の3人。投票で選ばれます。

指揮者1人ひとりや家族への密着、生徒たちと指導者、作曲家たちの練習風景で構成され、たくさんのストーリーが詰まった作品です。

生徒たちは、日常ではあまり使われなくなったハワイ語で書かれた歌詞の意味を知る中で、ずっと以前から受け継がれるハワイ人としてのアイデンティティに触れていきます。

カメハメハ・スクールは、ハワイ人の子供たちの教育のために、カメハメハ家のバーニス・パウアヒ・ビショップの遺産により設立された私立学校です。

ハワイが故郷であること、ハワイアンの血を受け継ぐことを誇りに思う生徒たち。

練習を積み重ねるにつれて、クラスには統一感が生まれていきます。

そして、コンテスト当日。

白い衣装をみにまとい、指揮者はレイを重ねて、華やかに。

ワンヴォイスを作れるかな。

見どころ

カメハメハ・スクールの廊下やグラウンド、食堂で生徒たちが談笑しているシーンから、ドキュメンタリーな青春が映し出されます。

ハワイアンミュージックとともに流れるコンテストを率いる指揮者1人ひとりの家庭でのワンシーン、ハワイで暮らしてみたいなと思える日常がそこにはありました。

作中ずっと、ハワイアンミュージックが流れていて癒されます。

そして、何よりも、コンテスト当日は見どころです。祈るような気持ちで、結果発表を待つコンテストの結果まで。

私が好きなシーン

やっぱり本番シーン。本番でベストパフォーマンスができるように、積み重ねてきた努力が大勢の観客の前で披露されていきます。

私たち日本人にとってもなじみのある曲が10年生の混声合唱で歌われています。

Begin作曲の「涙そうそう」に似てるこの曲は、「Ka Nohona Pili Kai(カ・ノホナ・ピリ・カイ)」という曲で、ハワイ出身のケアリイ・レイシェルが、Beginのメロディーにハワイ語の歌詞を付け、アレンジして2004年に発表されたものです。

美しい曲。

ハワイ語でつけた歌詞は、幼い頃に過ごした海辺の家と祖母を、愛しく懐かしく思う気持ちを表現しているのだそうです。

▼ 歌詞

Pā hanu mai ka pua ehu o ke kai
波しぶきが海の息吹となり

E holu nape ana i ka lau kī
ティ・リーフをサラサラと揺らす

Me he leo ʻaʻala i māpu mai
満ちる香りはささやきのように

E heahea mau nei
優しく私に呼び掛ける

Aloha ē, Aloha nō
何より愛しく 本当に愛しく

Aloha ka hāliʻalia mau
甘い思い出を呼び起こしてくれる

He nani ē, He nani nō
何より美しく 本当に美しく

He nani ka nohona pili kai
海辺の家に宿る美しさよ


素敵なセリフ

01. 現代で活躍しながら、過去とも繋がっている。過去を生きるのではなく、懸け橋として。大いなるプライドを持ち、それがハワイ人の祖先への誇りにつながり、偉業を重んじることになる。

カメハメハ・スクール学校長のマイケル・チャン博士(Dr. Michael Chun)の言葉です。

インタビューを受けた何人かは、ハワイあるいはアメリカ本土で学業を続け、いずれはハワイに貢献するビジネスをすると語っています。

02. 歌詞は物語のよう。きれいな花や場所のことにも「隠された意味(カオナ)」があって、もっと深いの。

10年生の女声合唱指揮者のカアイ(KAʻAI)の言葉です。

彼女たちの曲は「アロハ・コオラウ(Aloha Koʻolau)」というモロカイ島の風上側の自然の美しさをたたえる歌です。

ハワイ語を大切にするカアイは、コンテストに向けて「今まで以上にハワイ語に注意している」と話します。

実はカアイの家族はモロカイ島出身であり、歌詞を理解するためにモロカイ島を3歳の時以来に訪れます。

歌にちなんだ神聖な場所で、カアイも自身の言葉でチャントを唱えて、歌詞の意味を深く学びます。

おわりに

最後までご覧いただきありがとうございます。

ハワイを舞台にしたドキュメンタリー映画「ワン・ヴォイス〜ハワイの心を歌にのせて〜」のご案内でした。

ハワイの文化や精神、家族の大切さも映像に織り交ぜられています。

ハワイ語が使われる場面も多くあり、ハワイ好きにはおすすめの作品です。

またハワイが好きになりました。

今回の記事をきっかけに、本作をご覧になっていただけたら、嬉しい限りです。

皆さまの自宅でハワイ気分のお役に立てますと幸いです。

本作はNetflixなど、動画配信サイトでは配信がなかったのでTSUTAYAで配送レンタルしました。

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