夫から、妻から、友人から、職場の後輩から、
そんな風に相談を持ち掛けられたとき、どのように応えたら良いでしょうか。
不動産投資にメリットを感じているとはいえ、大きな買い物ですから、本人も迷っているのでしょう。
まずは購入の意思決定前に相談をしてくれたことには、ありがとうって思うようにします。
ローン審査会社の電話による本人確認の際には「同居している奥様に相談しましたか?」と質問されるくらいですから。
今回は、大切な人から不動産投資の相談を受けた場合に、どのような話をすると良いのか考えてみたことをご案内いたします。
実際には家族に内緒で不動産投資を実施しているケースもあるようです。
自宅の購入をしようと、ローンの審査を受けた際に、実は夫が家族に内緒で不動産投資を実践していたために、限度額まで借りてしまっており、自宅の購入資金のローンを組めないことが分かったというケースです。
そのようなトラブルにならないためにも、日頃から大きな投資をするときは、家族で話し合おうと決めておくのが良いかもしれません。
問い掛け事項を一つひとつご案内していきますが、ご不明点ございましたら、お問い合わせページよりご連絡ください。
目次
「全般確認事項」「不動産販売会社」「物件」「収支」について、全部で12個の問い掛けを考えています。
否定もせず後押しもせずに、とにかく本人によく考えてもらうこと、その上で今検討中の物件に投資することが本当に必要なのかどうかを判断してもらうスタンスです。
全般確認事項
01. いつまでに回答する約束をしてるの?
02. どうして不動産投資をしようと思ったの?
03. サブリースを勧められてる?(空室リスクについてどう考えているの?)
04. 貯金はあるの?
05. 自宅を買う予定はないの?
不動産販売会社について
06. 誰から買うの?
07. 販売会社とのやり取りに違和感はない?
物件について
08. どこのエリアにある物件?
09. 新築 or 中古?中古だったら築何年?
10. 物件を見に行ったの?
11. 賃貸はついているの?
収支について
12. 収支は固定資産税を支払った後でもプラスになってる?
明確に答えられなかったり、納得できない部分があるのであれば、相談者と考えをまとめて、不動産販売会社と納得いくまで協議するようにしましょう。
全般確認事項で、相談者に確認したい内容は次の5点です。
不動産販売会社に対して、いつまでに検討結果を回答する約束をしているのかを確認しましょう。
それにより、相談者がどの程度検討を進めているのかをおおよそ把握できるのと、自身も含めて、どのくらい検討する時間があるのかを確認します。
次にどうして不動産投資を始めようと思っているのかを確認しましょう。
目的はこの問い掛けをすることで、不動産販売会社の担当者に何を推されているかが分かったり、相談者の投資へのこだわりを確認することができます。
相談者に万が一があったときの保険になる、将来の家賃収入になるといった家族を思ってのことだと言う方もいらっしゃるかと思います。
「家族のことを考えてくれて嬉しい、ありがとう」とお伝えして良いと思いますが、万が一に備える保険であれば、掛け捨て生命保険でリスクなく同じ効果をもとめられます。
また、将来の家賃収入になるということついては、疑問があります。
35年かけてローンを完済したあと、36年目以降、いったいいくらの収入が毎月得れるのでしょうか?
返済36年目のマンションにどのような方が住んでるのかを想像してみてください。その人はいくらの家賃を支払ってくれるのかを考えてみると、いかがでしょうか?
今から36年前は、昭和60年、西暦1985年です。ずっと昔のことのように思います。
そのときに建設されたマンションに、いくらの家賃であれば入居を考えますか?
36年後から月々4万円の収入がありますということなら、ほかの投資商品の方が確実に貯まりそうな印象です。
相談者は、ローンで大きなお金を動かせることに、少しばかり大きな気持ちになっているかもしれません。
一方、相談者が収支を追い求めて投資したいと考えているのであれば、納得感があります。
ワンルーム不動産投資で、突然お金持ちになれるわけではありません。
それも理解した上で、少しだけリッチな生活をするためにと考えているのであれば、現実も見ていることの表れであるため、その投資判断を任せてみても良いかもしれません。
03. サブリースを勧められてる?(空室リスクについてどう考えているの?)
サブリースを勧められているときは「手数料がもったいないということ」、もしかして「サブリースを付けらなければ、売れない物件なんじゃないの?」を考えるようにしましょう。
空室リスクは不動産投資の最大のリスクですが、それを補う最良の手段がサブリースではないと考えています。
空室リスクに対する備えについては、こちらの関連記事に詳細を記載していますので、ぜひご覧ください。
マンション投資の最大の心配事は空室リスクです。「家賃収入で借入返済・管理費支払・固定資産税支払をまかなう」と、自身の持ち出しなく投資を行う仕組みを投資の決め手とした方にとっては特に、空室が生じたときの不安は大きいと[…]
サブリースを契約すると、手数料がかかります。ワンルームマンション投資の収入金額は大きくないので、サブリースの手数料がかかるか、かからないかで収支は大きく変わります。
なぜサブリースが付いているのか、サブリースは外せないのか、外せないのであれば、その理由は何かを不動産販売会社に問い掛けてみて、納得いく答えが返ってくるのか、確認してみるようにしましょう。
1番の空室リスクの備えは、貯金だと考えています。
6か月間賃料収入がなくても、金融機関への返済、管理費・固定資産税の支払いができるくらいの貯金を持った上で、ワンルームマンション投資を始めることをおすすめします。
空室にならないワンルームはないと考えた方が良いです。
実際に空室となってしまったとき、貯金があるかないかでは心持ちが大きく違うはずです。
自宅を購入するにあたり、住宅ローンを組む場合、既存の借入がいくらなのかは、住宅ローン審査の検討項目です。
本記事の冒頭でご案内したとおり、自宅購入のためのローン審査を受けた結果、不動産投資のローンが限度額上限に達していたことから、自宅購入を見送らざるを得なかった方もいらっしゃいます。
この機会に、将来の自宅購入について、お互いどのように考えているのか、夫婦で話し合うのも良いかもしれません。
不動産販売会社について、相談者に確認したい内容は次の2点です。
不動産投資は長期的な投資になるため、長く信頼できる不動産パートナーから購入するということが、意外に大切だと考えています。
不動産会社、管理会社がいつでも相談できる人、期待に応えてくれる人、頼りになる人かどうかはとても大切です。
その人とどうやって知り合ったのか?も含めて、誰から買うのか、その人はどのような人なのかを確認するようにしましょう。
質問をしたときに、親身に答えてくれる方なのか?説明は分かりやすい方なのか?
長くパートナーとして付き合える方なのか?
勝手ながら良い不動産パートナーを想像してみました。
・ 物件がある街のことを良く知っている
・ 担当者が昇進したら素直に嬉しいと思える
・ 相談事に乗ってくれ、共感してくれ、自身の考えを話してくれる
・ 自身で判断がつかなければ、必ず上司に問い合わせて、回答してくれる
・ ミスがあっても隠さない正直者
・ 仕事の愚痴を言うこともあるけれど、結局は自身の仕事に誇りを持っている
・ 自身でも不動産投資を行なっている、行おうとしている、または家族が行なっている
不動産販売会社が安心か、担当者が信頼できる人なのか、インターネットの情報や見た目では判断がつかないと思います。
そこでやり取りに違和感がないかどうかで、長く信頼できる方なのかを見極めていきます。
検討している中で、条件をコロコロ変えてくる方は良くないと思います。
キャンペーン中なので値引きしますとか、お客様の負担は今回サービスしますなど、あとからこちらに有利な条件を出されるのであれば、最初から言って欲しいと思ってしまいます。
話し合いの結果、多少は条件の変更があるのでしょうが。
また「とりあえず、契約書を書いてください。あとで破棄できますから」という言葉を言ってきたら、スタンスを疑ってください。
この2つは、検討を経験した本人にも良くない影響があると考えてしまいます。
不動産投資は交渉すればなんとかなるんだという印象になってしまったり、契約書を書き、実印を押すということが軽いものになってしまうのではないでしょうか。
ビジネスを続ける上で、そういったやり方は、長続きしないように思えます。
長期的な投資であるために、長く付き合っていく上で話していきたいにもかかわらず。
自身が販売する人になったとしたら、同じような営業の仕方をするのかどうか、立場を置き換えて考えてみるのも有効です。
長く付き合える信頼できるパートナーと協議を重ねたいものです。
「ここまでやってくれたから、お願いしようか」は、経済状態に余裕があれば良いのですが、そうでない場合には心配な判断方法だと思います。
条件があえば、迷うことなく、購入の意思決定ができます。
実際の購入検討を記録した関連記事がございますので、こちらもぜひご覧ください。
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物件について、相談者に確認したい内容は次の4点です。
東京なのか、自身にゆかりのある物件なのかは、空室リスクが顕在化したときの心持ちに関連する要素です。
どのような物件でも同じ人がずっと住み続けてくれることは現実的にないと思います。
必ず、借りてくれる人は変わります。
自身でも住みたいと思う物件かどうか。そのとき、ここでも良いなではなく、ここが良いと判断できる物件かどうかがポイントだと思います。
初めて不動産投資する方には、新築の物件への投資をおすすめします。
新築の方が、空室リスクが顕在化しにくいですし、家賃の下落や修繕費による思わぬ出費がおきにくいです。
一方で中古も新築に比べて購入価額が安い分、リスクは小さくなります。
築7年〜13年の物件を随時入れ替えている方もいます。
できるならば、物件は見に行った方が良いです。借りてくれる人の気持ちになって、このマンションに住みたいと思えるかどうかを考えます。
入居者がいて、部屋の中まで確認できない場合でも、日当たりやエントランス、外観、清掃状況、周辺環境を確認します。
目の前がお墓だったり、自身だったら入居を見送るような要素はないのかを確認していきます。
物件の検討にあたっては、Googleマップのストリートビューや航空写真も使うことはありますし、部屋の中の写真やバルコニーからの眺望の写真も、不動産パートナーに依頼します。
新築で入居者がいない場合には、ぜひ部屋の中も見させてもらいましょう。
既に入居者がいるのかどうか、家賃はいくらか、敷金礼金は受領しているのか、入居募集から何ヶ月で入居が決まったのか、契約期間は何年残っているのか、何人目の入居か、以前住んでいた方の退去の理由で気になることはなかったか、入居検討時に、気になる質問を受けていないのか、確認しておきたいです。
収支について、相談者に確認したい内容は次の1点です。
自身が経営者だったとしたら、収支がマイナスの事業に投資をするでしょうか?
最初はマイナスだとしても、必ず収支がプラスになるように改善施策を考えるのではないでしょうか?
不動産投資の収支は、収入が賃料、支払がローン返済、支払利息、管理費・修繕積立金、集金代行手数料、固定資産税と単純なので、実施可能な改善施策が限られており、1度確定した収支を改善するのはとても難しいです。
収支がマイナスでも保険代わりになる、将来ローンを完済したあとの賃料で裕福な生活ができるといった不動産投資のメリットは、収支がマイナスかプラスかにかかわらず、得れることを再認識して欲しいです。
収支がマイナスの条件、収支がプラスになる見通しが立たない物件への投資は、納得いくまで協議することが必要だと考えます。
今は不動産価格がとても高くて、不動産投資を行う気持ちになれません。 不動産価格の上昇について東京で例をあげると、2012年の中央区茅場町のワンルームマンションの値段よりも、2020年の板橋区上板橋のワンルームマンショ[…]
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回は投資マンションを検討している方から相談を持ちかけられた場合を想定して、受け応え方法をご案内させていただきました。
すべての質問に対して、明確に回答できる相談者は少ないと思います。
だからといって、相談者を責めたりしないでください。
将来のことを考えてみたり、万が一に備える保険になればと考えて、何かしらメリットを見つけて、検討を始めたのでしょうから。
相談をきっかけに協議を始めれば良いのです。
本記事のリストを相談者と眺めながら、一つひとつ意見交換するのも良いと思います。
投資ですから、リスクがあります。リスクを100%取り除くことは難しいですが、低減することは可能です。
不動産投資の最大リスクの空室リスクが怖いことを考え過ぎてしまうと、いつまでも投資が始められないのも事実ですので、綿密に検討をした上での思い切りも必要かもしれません。
いずれにしても、不動産投資をある程度学んだ上で判断して欲しいと思います。
不動産投資は楽して儲かる簡単なおいしい話ではなく、物件内容、運営方法、収支から判断する事業経営と同じという気持ちで検討を進めていただきたいです。
不動産販売会社によっては、検討に時間が欲しいと伝えると早く決めないとこの物件を紹介できなくなると、回答を早めさせようとする方もいるかもしれませんが、けっして焦らないでください。
今紹介を受けている物件でないと、どうしてもだめなケースは少ないと思います。
今回見送ったとしても、検討時に学んだ経験をもとに自身の条件を作り上げておくこと、その条件を不動産パートナー、そして家族にも伝えておくことで、きっと良い物件に出会えるようになり、出会えたときの判断もスムーズになるはずです。
ここにあげたもの以外にも、少しでも疑問に思ったことがあれば協議するようにしましょう。
今回の記事が皆様のワンルームマンション投資ご検討のお役に立てますと幸いです。
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